多賀城との出会い ~出会いから始まるストーリー~
仙台や松島は知ってるけど・・・
どこにあるの?という感じなのではないでしょうか。
宮城県出身のわたしも、前回のblogでお伝えした「東大寺と東北」展をきっかけに
改めて多賀城という地と出会った気がしているのです。
その歴史は、奈良時代まで遡り、
11世紀まで東北地方の行政の中心地として繁栄したと言われています。
仙台平野と仙台湾を一望できる丘の上の政庁跡へ続くまっすぐな階段を
一段ずつ足を運ぶごとに、車の音や人のざわめきが遠ざかっていく。
風の動きを感じながら、この地を訪れた当時の人々に想いを馳せる。
多賀城を造った人々。
毎日、役所に仕事のため通う人。
儀式や宴会に招かれる人。
長い旅の末に辿り着く人。
兵として、東北の人々との戦いの戦況を伝える人。
そして、時にはここを焼きはらった人。
災害や戦禍を経験しながら、4度の変遷を経て
中央と東北の地を繋ぐ地としての重要な役割を全うした多賀城。
陸奥国の職人へ技術を教えられたこともあったという。
この多賀城という一点に向かい集まってくる人々の意思。
想いと想いが時には結ばれ、時には交差し
新しいストーリーがここから始まり、
東西南北へ紡ぎだされていく。
そんな力強い勢いを、
今は丘の上から静かに眺めている城跡が秘めていることを感じた。
今、目に見えるものが全てではない。
無限のストーリーが層になって重なり、
その中で光があたっているワンポイントだけを私たちは認識しているのだ。
今まで私のなかでぼんやりしていた多賀城のイメージが、
今回の出会いを通してガラリと変わったように
どこに光の焦点をあてるのかで、見えてくるストーリーが変わる。
人間だけではなく、全てとどんな出会いをしたいのか。
そして、その出会いを通して、どんなストーリーを紡ぎだすのか。
それが人生を創ること。
今ここ、素敵な出会いでありますように☆